読了s

「蛇を踏む」(川上弘美)
「失恋」(鷺沢萠

今日読んだものではないけれど、書いておかないと感想が追いつかなくなりそうで。

  • 「蛇を踏む」

火曜日に押しかけていったid:kasuho君の家で本を物色し、本人に無断で持ち帰りました(ここに書いたらばれますが)。実は、もう2冊、拝借してそのままの本があります。

これを選んだのは、作者が私の大学の卒業生だと知っったから(著名人の少ない学校なのでつい)。それから「芥川賞受賞」という言葉にもついついくらりときてしまう。

裏表紙には、

若い女性の自立と孤独を描いた

とあるけれど、そういうことは私にはわからなくて、終始“夢”のようなお話だと思っていた。夢、みたいというのは、夢を見ているときみたい、ということで、つじつまの合わなさやありえなさを不思議にもっともだと受け止めてしまって、かつそれが凄くリアル、だという感じ。
なぜか一番印象に残ったのはあとがき

自分が書く小説を、わたしはひそかに「うそばなし」と呼んでいます。


「うそ」の国は、「ほんと」の国のすぐそばにあって、ところどころには「ほんと」の国と重なっているぶぶんもあります。「うそ」の国は、入り口が狭くて、でも、奥行きはあんがい広いのです。


さいころから「うそ」の国でしばしば遊んできたので、あんまり他の遊び場所を知りません。もしも「うそなんて、だめよ」と禁止されたら、からだをこわしてしまうかもしれません。

「あ、私もかも」って思うからかな(危険★)。


でも、想像力も本を出したり賞を取ったりするのならかなり創造的だけど。

  • 「失恋」

4月にニュースで作者の自殺を知り、本を手にしてそれを思い出したので。

読みながら、なんだか林真理子の「ロスト・ワールド」を思い出した。バブルの感じが。
そんなに私の好きな感じではないかもしれない。
なんでだろう。一つにはどの話も(4篇収録)読んでてツラクなるからかも。そして登場人物が好きになれないから。
このような本の読み方はどうなのかと自分でも思うけれど。
とにかく彼女の作品については、別のものを読んでみて考えることにします。