家から駅までの道に、遊歩道のようなものがあって、次々に季節の花が咲いていく。花が咲くまで、私はいつもその植物が今までもそこにあったことに気がつかない。
もうすぐ咲きそうなのは紫陽花。
小学生のころ、私は花言葉をおぼえることにはまっていて、紫陽花の花言葉が「無邪気」だと知った。
ただ「無邪気」の意味が分からなかった。
「無い」と「邪」がつくからきっと悪い意味だと思った。意地悪、だとか、冷淡、だとかみたいに。
少しあとになって、言葉の正しい意味を知ったけれど、それでもなんだかヨコシマなものに思えてしまう。
「無邪気」という言葉も。紫陽花も。